弥勒院

龍華山 定福寺 弥勒院 御本尊『阿弥陀如来

 元宇多津にあり、聖通寺の末寺であった。慶長6年(1601年)生駒氏に招かれこの地に移り、明治7年から14年まで城北小学校の前身の北山小学校が開校されていた。境内に芭蕉の「露とくとうこころみに浮世すヽがばや」の碑があります。
 弥勒院さんは、北平山町にあり、吉祥院さんのご住職 が兼任してお寺を守っておいでになります。
 弥勒院さんのご本尊は真言宗には珍しい阿弥陀如来さまです。阿弥陀如来さまは、浄土真宗のご本尊だと思い 込んでいたのですが、数年前、ご本尊が阿弥陀如来さまの仁尾町の安養寺(真言宗)さんから、「丸亀にもご本尊が阿弥陀如来の真言宗のお寺さんがありますよ」とお教えいただいてから、どちらのお寺さんなんだろうと気にかかっていました。なので、ご住職さんに「ご本尊が阿弥陀如来さま」だとお伺いし、ようようたどり着けたと言う思いがしました。
 なぜ阿弥陀如来さまをご本尊にお迎えしているのかと、ご住職さんにお伺いしたところ「生駒さんが、丸亀に迎えたのは真言宗のお寺が六ヶ寺。それでは、困るから阿弥陀如来さまをおまつりしなさいと、お殿さんに言われたからです」と、お話ししてくださいました。
 また、六ヶ寺の共通の宝物として生駒家のお殿様から涅槃図と曼荼羅が三幅(さんぷく)つかわされたそうですが、何時の時代にか紛失してしまったとのことです。もし、現存していれば丸亀の宝になったでしょうに、誠に残念です。
 ご住職さんのお話しに、400年以上前に丸亀を治めていた生駒家のお話がそこかしこに出てきましたので、丸亀が城下町として繁栄していた時代を垣間見た気になりました。